TOKYO
HUMAN RESOURCES FUND
FOR CITY DIPLOMACY
留学生インタビュー
東京都立大学(旧首都大学東京)には都市外交人材育成基金を活用して様々な国・地域から多くの学生がやってきます。
このページでは都市外交人材育成基金(旧アジア人材育成基金含む)を活用して入学、修了した方々の一部についてご紹介いたします。
Joval N. Martinezさん
- 氏名:
- Joval N. Martinez
(2019年 理工学研究科 生命科学修了) - 出身地・出身国:
- フィリピン
研究について
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Interview
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研究テーマを簡単に教えてください。
私の研究は、中房温泉で発達する光合成マット内の微生物の多様性と安定性に焦点を当てています。
光合成マットは、光合成が可能な生物によって支配されている微生物集団の集まりです。NGS(Next Generation Sequencing)を用いて多様性を研究することで、16S rRNA遺伝子配列決定、メタゲノミクス、メタトランスクリプトームを通じた微生物生態学、栄養サイクル、個体群動態の理解に役立ちます。これにより、マットの中にはどのような微生物がどのくらい安定して存在しているのかあるいは微生物群集の構成要員が持つ遺伝子がどのような代謝を行うのか、活性はどのくらいあるのだろうかといった包括的な問いに対処することができます。
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Interview
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首都大学東京での研究を通じて何を達成したいですか。
首都大学東京での研究の目標は生物学の博士号取得ですが、首都大学東京と他国の大学との継続的な連携によって、私の研究分野で素晴らしい共同プロジェクトを立てることが私の長期目標です。私の研究を通じて、私が首都大で学んだことをフィリピンの学生や他の研究者たちと分かち合い、 国づくりに役立てることに全力を尽くします。
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Interview
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首都大学東京を研究の場所として選んだ理由は何でしたか。
首都大学東京には、多くの分野で幅広い専門家が在籍しているため、研究を行うには優れた場所です。生命科学専攻においても、多分野に亘って優れた施設や科学者を併せ持つ環境の中で、私のような生物学者が多くのスキルを学び、多くの知識を得ることで将来の国際的な共同研究に役立てたいと思っています。
日本での生活について
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Interview
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これまでのところ東京での生活はいかがですか?
東京での日常生活には困難もありますが、実り豊かで希望に満ちています。私たちが言葉で困っていた時に、日本人に多くの点で助けてもらい感謝しています。また、冬の雪や春の桜も楽しみました。私が参加しているEvery Nation Tokyo Shibuya(ENTS)のフィリピンと日本のコミュニティだけでなく、首都大学東京の様々な文化や背景をもつ素晴らしい友人の存在も本当に私の励ましとなっています。
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Interview
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東京に来てから文化や習慣の違いによる驚きや、問題などに直面しましたか?
東京に来た時から、私は日本人の文化や伝統が好きでしたが、最も驚いたことは、日本人が様々な面で環境と規律へ配慮していることです。人々はゴミを投げ捨てたりすることはありません。また、多くの人、特に年配者が週末や休日に登山していることに驚きました。ただ、仕事に多くの時間を割くために、家族や友人との時間をほとんど過ごすことができない人が時々いるので、その点は心配しています。
将来について
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Interview
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将来、東京と母国の間でどのような役割を担いたいですか。
私の長期計画の一環として、また、フィリピンの教育者および研究者として、 東京と私の母国との繋がりを教育と研究の面で継続できるようにしたいと考えています。東京と私の母国を含むプロジェクトを立ち上げる機会を与えられれば、私はその国とその人々を築く共通の目的のために、自身の専門知識を生かしたいと思っています。