パク・ジェホさん

パク・ジェホさん
Profile
氏名:
パク・ジェホ
(2019年 人文科学研究科 社会福祉教室修了)
出身地・出身国:
韓国

2017年8月記載原稿

研究について

Interview

研究テーマを簡単に説明して下さい。

 私の主な研究テーマは、福祉国家・福祉政治であり、特に日韓の若者政策に関心を持っています。福祉国家は、すべての市民に社会権を保障して「よい状態」を追求・実現するために、国家としての義務を果たします。特に、日韓両国は安保・経済成長中心の思考から外れて、市民の生活向上をするためにより一層取り組むべきだと思います。また、福祉国家を作るために福祉政治の研究も重要な課題になっていると思います。

Interview

首都大学東京での勉強を通じて何を達成したいですか。

 最も重要なことは、博士論文を書き上げることです。博士論文のテーマは、若者政策の日韓の比較研究ですが、これは比較的新しい研究テーマだと思います。現在、若者の雇用が不安定であり、ニートやフリーターなどの新しい問題も生じでいます。一方で、若者問題に対応する社会的支援はまだ不十分だと考えています。つまり、若者は社会から排除されている状況と言えます。困難を抱えている若者が再び社会参加するように支援策を打ち出す必要があると考えます。
また、このような研究を進めながら、首都大学東京の教員や学生ともより交流をして、日本の文化も深く理解したいと思います。

Interview

首都大学東京を研究拠点として選んだ主な理由は何ですか。

 幼い頃から、日本の文化に興味を持っており、いつか日本に留学するという夢を持っていました。私は首都大学東京の協定校であるソウル市立大学の出身です。ソウル市立大学の中には、旧東京都立大学で学位を取得した教員もおり、現在の指導教員となる先生の研究分野も興味深かったため、首都大学東京への留学を決めました。また、首都大学東京の社会福祉教室は他の大学よりも社会福祉に特化されていることも長所だと思います。加えて、少人数教育が行われているので、指導教員からしっかりと論文指導を受けることができる点は、首都大学東京の魅力だと思います。

日本での生活について

Interview

これまでのところ、東京での生活はいかがですか?

 東京の生活は忙しいですね。(笑)3年前、名古屋大学で交換留学した経験もありますが、名古屋とは全然違う生活です。その時、勝手に名古屋イコール日本だと思っていたのですが、やはり東京は大都市としての魅力があります。日本の政治・経済の中心地として、人と情報が集まっています。そのため、他の地域より、研究者と交流する機会も多く、研究者との出会いには毎回ドキドキさせられます。これらが、東京での生活の魅力ではないかと考えます。

Interview

東京に来てから文化や習慣の違いによる驚きや、問題などに直面しましたか?

 ラッシュ・アワーの時間でも電車における秩序がしっかりと守られていることには驚きました。どんなに自分が忙しい時でも他人に配慮できる点も印象的でした。加えて、東京には様々な側面があるところも面白いです。例えば、都会的な部分だけでなく、多摩地域の様な緑豊かな地域もありますし、最近では、いろんな特色ある魅力を発見します。
最後に、あちこちに災害に対しての準備されていることには驚きました。韓国では地震などを経験したことがなかったので、日本は災害に対して、常に準備している印象を受けました。

将来について

Interview

将来、東京と母国の間でどのような役割を担いたいですか。

 将来、私は、シンクタンク(Think Tank)で働きたいと考えています。入学前には、韓国の市民団体や大学の研究所で勤めた経験もあり、具体的な福祉政策を打ち出しましたが、政策に関する理論や哲学の不足を感じていました。首都大学東京では、福祉理論、哲学や思想をより学び、私なりの理論的な土台を構築した上に、福祉政策を立案したいと思います。
また、東アジアの平和にも寄与したいと考えています。平和というのは、単に戦争をしていない状態ではなく、人々の平和を守る信念から始まります。東アジアの平和が継続していくために、福祉政策で人々の生活を支える必要があると思います。これが都市外交人材として、私の使命ではないかと思います。